みちのく銀行事件

みちのく銀行事件

平成12年9月7日最高裁判所第一小法廷
ストーリー
 Y銀行では、過半数労働組合の同意は得たが、少数組合の同意を得ないまま2度にわたる賃金制度の見直しをし、これに伴い、就業規則の変更を行った。この変更に基づき、銀行員Xらは管理職の肩書を失うとともに賃金が減額されることとなった。
 銀行員Xらは、就業規則の変更は、同意をしていない銀行員Xらには効力が及ばないとして、賃金制度の見直しに伴う各種辞令の無効確認、これまでの賃金支払いを受ける労働契約上の地位の確認などの訴えを提起した。

 

就業規則を変更し、新しい賃金制度を

導入します。

 

就業規則による労働条件の不利益変更は

無効です。不利益変更の程度があまりにも大きい!

 

 結 論  労働者Xら勝訴
 当該就業規則等変更は、Xらのような高年層の行員に対しては、専ら大きな不利益のみを与えるものであって、他の諸事情を勘案しても、変更に同意しないXらに対しこれを法的に受忍させることもやむを得ない程度の高度の必要性に基づいた合理的な内容のものであるということはできない。  秋北バス事件 第四銀行事件

就業規則の不利益変更を行う際の「合理性」とは、具体的にはどのようなものか。

 専任職制度の導入に伴う本件就業規則等変更は、それによる賃金に対する影響の面からみれば、Xらのような高年層の行員に対しては、専ら大きな不利益のみを与えるものであって、他の諸事情を勘案しても、変更に同意しないXらに対しこれを法的に受忍させることもやむを得ない程度の高度の必要性に基づいた合理的な内容のものであるということはできない。したがって、本件就業規則等変更のうち賃金減額の効果を有する部分は、Xらにその効力を及ぼすことができないというべきである。
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 専任職制度の導入に伴う本件就業規則等変更は、それによる賃金に対する影響の面からみれば、Xらのような高年層の行員に対しては、専ら大きな不利益のみを与えるものであって、他の諸事情を勘案しても、変更に同意しないXらに対しこれを法的に受忍させることもやむを得ない程度の高度の必要性に基づいた合理的な内容のものであるということはできない。したがって、本件就業規則等変更のうち賃金減額の効果を有する部分は、Xらにその効力を及ぼすことができないというべきである。

 

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