労災保険法(第5章-②損害賠償との調整)rsh1103C

★★★★● rsh1103C保険給付の原因である事故が第三者の行為により生じた場合において、労働者災害補償保険の被災労働者又はその遺族と第三者との間の示談が、真正に成立したものであり、かつ、その内容が被災労働者又はその遺族の第三者に対して有する損害賠償請求権(保険給付と同一の事由に基づくものに限る。)の全部の填補を目的として行われている場合に限り、政府は保険給付を行わない。
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○正解
 第三者行為災害において、受給権者と第三者との間に示談が行なわれている場合は、①当該示談が真正に成立している(当該示談が錯誤又は心裡留保(相手方がその真意を知り、又は知り得べかりし場合に限る)に基づく場合でない、当該示談が、詐欺又は強迫に基づく場合でない)、②当該示談の内容が、受給権者の第三者に対して有する損害賠償請求権(保険給付と同一の事由に基づくものに限る)の全部の塡補を目的としているときに限り、保険給付は行われない
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 「受給権者が受領した示談金の限度で」行わないわけではありません。平成6年において、ひっかけが出題されています。

 例えば、労災保険への請求を行う前に100万円の損害額で以後の全ての損害についての請求権を放棄する旨の示談が真正に成立したとします。

 その後、労災保険からの給付額が100万円をはるかに超えることが見込まれることがわかり、労災保険の保険給付の請求を行っても、原則として、保険給付は行われません(100万円だけ減額が行われて残りの金額分の保険給付が行われるわけではありません)。

rsh24DE次の文中の     の部分を選択肢の中の最も適切な語句で埋め、完全な文章とせよ。

 被災者等と第三者との間で、被災者等が受け取る全ての損害賠償についての  D  が、真正に、すなわち錯誤や  E  などではなく両当事者の真意により成立し、被災者等が  D  額以外の損害賠償の請求権を放棄した場合、政府は、原則として  D  成立以後の保険給付を行わない。

(昭和38年6月17日基発687号)
 受給権者と第三者との間に示談が行なわれている場合は、当該示談が次に掲げる事項の全部を充たしているときに限り、保険給付を行なわないこと。
イ 当該示談が真正に成立していること。
 次のような場合には、真正に成立した示談とは認められないこと。
a 当該示談が錯誤又は心裡留保(相手方がその真意を知り、又は知り得べかりし場合に限る。)に基づく場合
b 当該示談が、詐欺又は強迫に基づく場合
ロ 当該示談の内容が、受給権者の第三者に対して有する損害賠償請求権(保険給付と同一の事由に基づくものに限る。)の全部の塡補を目的としていること。
次のような場合には、損害の全部の塡補を目的としているものとは認められないものとして取り扱うこと。
a 損害の一部について保険給付を受けることとしている場合
b 示談書の文面上、全損害の塡補を目的とすることが明確でない場合
c 示談書の文面上、全損害の塡補を目的とする旨の記述がある場合であっても、示談の内容、当事者の供述等から、全損害の塡補を目的としているとは認められない場合

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rsh0602D 労災保険の受給権者が第三者と示談を行った場合において、その示談が真正に成立しており、かつ、その内容が受給権者が第三者に対して有する損害賠償請求権の全部のてん補を目的としているときは、政府は、受給権者が受領した示談金の限度で同一の事由に基づく保険給付を行わないこととしている。×rss5505A 第三者の行為により災害が発生した場合において、被災労働者又はその遺族と当該第三者との間で損害の全額について有効に示談が成立したときは、示談金額を超える部分について保険給付を行う。×rss5304B当該災害による損害について被災労働者と当該災害を発生させた第三者との間において示談が行われた場合は、その示談が真正に成立していると認められれば労災保険の給付は全く行われない。×

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