京都新聞社事件

京都新聞社事件

昭和60年11月28日最高裁判所第一小法廷
ストーリー
 Y社では、従業員に対し、夏季の賞与(前年10⽉1⽇から当年3⽉31⽇までを計算期間とし、毎年6月支給)と年末の賞与(当年4⽉1⽇から当年9⽉30⽇までを計算期間とし、毎年12月支給)が規定されており、嘱託にもこの規定は、準⽤されていた。
 Y社には、賞与はその⽀給⽇に在籍している従業員および嘱託に対してのみ⽀給する、ただし賞与の計算期間中に在籍し⽀給⽇に在籍しない定年退職または死亡退職の従業員および死亡解嘱の嘱託に対しては例外的に当該賞与を⽀給する、という慣⾏が存在していた。
 労働者Xは、Y社の従業員であったが、昭和53年11⽉30⽇に定年退職し、引き続きY社の嘱託となり、昭和56年11⽉に満60歳に達し、同⽉末⽇に嘱託期間の満了により退職した。
 Y社は、年末の賞与を⽀給したが、すでに退職して⽀給⽇に在籍していなかった労働者Xに対しては賞与を⽀給しなかった。労働者Xは、年末の賞与の支給を求めて訴えを提起した。
 
 結 論  労働者X敗訴) 
 賞与の受給権の取得につき当該⽀給⽇に在籍することを要件とする慣⾏は、その内容において不合理なものということはできず、Xがその存在を認識してこれに従う意思を有していたかどうかにかかわらず、事実たる慣習としてXに対しても効⼒を有するものというべきであるから、Xは嘱託期間の満了によりY社を退職した後である賞与については受給権を有しない。
 

大和銀行事件と異なり、明文の規定はありませんでしたが、

支給日在籍要件が社内の労働慣行として成立していると

認められました。

 
 

賞与は支給日在籍者にのみ支給する旨の定めは有効か。

 賞与の受給権の取得につき当該⽀給⽇に在籍することを要件とする前記の慣⾏は、その内容において不合理なものということはできず、Xがその存在を認識してこれに従う意思を有していたかどうかにかかわらず、事実たる慣習としてXに対しても効⼒を有するものというべきであるから、前記の事実関係の下においては、Xは嘱託期間の満了によりY社を退職した後である昭和56年12⽉4⽇を⽀給⽇とする賞与については受給権を有しないとした原審の判断は、結論において正当として是認することができる。
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 賞与の受給権の取得につき当該⽀給⽇に在籍することを要件とする前記の慣⾏は、その内容において不合理なものということはできず、Xがその存在を認識してこれに従う意思を有していたかどうかにかかわらず、事実たる慣習としてXに対しても効⼒を有するものというべきであるから、前記の事実関係の下においては、Xは嘱託期間の満了によりY社を退職した後である昭和56年12⽉4⽇を⽀給⽇とする賞与については受給権を有しないとした原審の判断は、結論において正当として是認することができる。

 

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