労災保険法(第2章-業務災害及び通勤災害)rss4804E

★ rss4804E他社の運行不能中のトラックを救助中のバス運転手の負傷は、自社のバスの運行を確保するために必要な合理的行為であれば、業務上である。
答えを見る
○正解
 
他社の運行不能中のトラックを救助することに伴う負傷は、自社のバスの運行を確保するために必要な合理的な行為と認められた場合には、業務災害として扱われる。
詳しく

(労災保険法実務総覧(厚生労働省労働基準局労災補償部補償課)質疑応答編:第一法規)

 当社の定期バスに乗務する運転手が所定のコースを走行中、対向車であるトラックが木材を積載したまま、道路の側溝に前輪をはめこみ、動きがとれない状態となっていた。このため、後続の車が列をなしており、これをみかねたバス運転手は、乗客に断わりをして、トラックの救助をなすべく、ワイヤーを取り出してトラックの前部とバスの前部に結びつけ、救助作業を行ったが、この時ワイヤーがはずれてバスの前面ガラスが破れたため、その破片によって右目を負傷した。このような場合におけるバス運転手の行為は、業務に逸脱した私的行為として扱われるのかどうか。


 被災者であるバスの運転手の本来の業務は、乗客の運搬であることは明らかであり、本件災害を生ずる原因となった第三者の車両を救助する目的の行為は、ただちに被災者本来の業務とみることは困難であるが、他面、労使ともにこの種の作業は運転手として当然行なうべき義務と認めていたであろうことは容易にうかがえることや、道路及び交通状況等からも当然の行為と認めざるをえないことなどから、このようなことが常に事業主及び運転手に欠くべからざる責任ないし義務として強制されていないとしても、被災者の行為を単に個人的道義として相互扶助的に行なわれる私的行為であり、義務行為ではないと判断することは妥当性を欠くと考えられるのである。
 したがって、本件被災者の行為は、運転手としての義務に伴う合理性ないしは必要性のある行為と認められ、業務上の災害と判断されるのが妥当であろう。(※昭33.4.30 昭32労22号 おそらくこれが原典だとおもわれるが、存在確認できず。)

次の問題へ

スポンサーリンク

前の問題へ 労災保険法

関連問題

なし

トップへ戻る