健康保険法では保険給付の受給権の消滅時効の期間が2年となっている。この場合、消滅時効の起算日は、療養費は A 、高額療養費は B 、傷病手当金は C 、移送費は D である。また、保険給付を受ける権利を保護するため、健康保険法では保険給付を受ける権利の譲渡、差押さえを禁止しているが、この権利には E を受ける権利は含まれない。
B→③診療を受けた月の翌月の1日
C→⑧労務不能であった日ごとにその翌日
D→⑰移送に要した費用を支払った日の翌日
E→⑲療養の給付
(解釈と運用193条)
療養費および家族療養費(償還払いがなされるものに限る。)の請求権の消滅時効の起算日については、療養に要した費用を支払った日の翌日から起算される。(昭和31年9月17日保険発第170号)
高額療養費の消滅時効の起算日は、「診療日の翌月の1日であり、傷病が月の途中で治ゆした場合においても同様である。ただし、診療費の自己負担分を、診療月の翌月以後に支払ったときは、支払った日の翌日が起算日となる。(昭和48年11月7日保険発第99号・庁保険発第21号)
傷病手当金のおよび出産手当金の請求権の消滅時効の起算日については、「傷病手当金の請求権の消滅時効は、労務不能であった日ごとにその翌日から起算される。出産手当金についても同様である。(昭和30年9月7日保険発第199号)
移送費および家族移送費の時効の起算日は、傷病等の保険事故にともない、付随的に発生する給付であることから、実際に移送に要した費用を支払った翌日である。
(解釈と運用61条)
保険給付を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し又は差し押さえることができない。「保険給付を受ける権利」は、現実に保険給付を受ける権利である。受給権の中には、療養の給付を受ける権利は含まれない。これは、療養の給付を受ける権利のような現物給付を受ける権利は、被保険者の現在の疾病等に対して療養等を受ける権利であり、いわば時々刻々に発生し、時々刻々に消滅していく権利であって、その性質上もともと譲渡性を有しない権利だからである。