代表者・事業主

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労働基準法

法人の代表者

 (平成11年3月31日基発168号)
(問)
 法人、団体又は組合等の場合において、その代表者又は執行機関である者がその法人、団体又は組合等より労働の対償として法第11条の規定による賃金を受ける者であるときは、法人、団体又は組合等の機関という立場においては他の労働者に対し使用者の地位に立つ者であるが、賃金支払を受ける立場においては法第9条の規定により労働者とも解せられるかどうか。
(答)
 労働基準法にいう労働者とは、事業又は事務所に使用される者で賃金を支払われる者であるから、法人、団体、組合等の代表者又は執行機関たる者の如く、事業主体との関係において使用従属の関係に立たない者は労働者ではない

 労働基準法においては、「法人の代表者」は労働者には該当しないため、適用はありません。

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法人の取締役

(昭和23年3月17日基発461号)
(問)
 法人の重役は工場長、部長等の職にあって給料を受ける場合も労働者と見ないか。
(答)
 法人の所謂重役業務執行権又は代表権を持たない者が、工場長、部長の職にあって賃金を受ける場合は、その限りにおいて法第9条に規定する労働者である

 「法人の取締役」については、労働者性が認められる部分においては、労働基準法の適用があります。

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個人事業主

(コンメンタール10条)
 「事業主」とは、その事業の経営の主体をいい、個人企業にあってはその企業主個人、会社その他の法人組織の場合はその法人そのものをいう。

 「個人事業主」については、使用者の定義のうちの「事業主」とされるため、労働基準法の適用はありません。

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労災保険法

法人の代表者、法人の取締役、個人事業主

(労災コンメンタール1条) 
 本法の保険給付や労働福祉事業の受益者となる「労働者」の意義については、本法中に明文の規定はないが、第12条の8第2項に、傷病補償年金及び介護補償給付を除く本法の業務災害に関する保険給付は労基法に規定する災害補償の事由が生じた場合にこれを行う旨定めていること、また本法が労基法と時を同じくして同法に規定する災害補償の裏付けをする制度として発足した経緯等から、労基法に規定する「労働者」と同一のものをいうと解される。

 労災保険法における労働者は、労働基準法9条に規定する労働者と同一です。したがって、法人の代表者、法人の取締役、個人事業主の取扱いも原則として、同じ取扱いになります。

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中小事業主等の特別加入

第33条
 次の各号に掲げる者(第2号、第4号及び第5号に掲げる者にあつては、労働者である者を除く。)の業務災害及び通勤災害に関しては、この章に定めるところによる

1 厚生労働省令で定める数以下の労働者を使用する事業(厚生労働省令で定める事業を除く。第7号において「特定事業」という。)の事業主で徴収法第33条第3項の労働保険事務組合(以下「労働保険事務組合」という。)に同条第1項の労働保険事務の処理を委託するものである者(事業主が法人その他の団体であるときは、代表者

 「中小事業主等」の特別加入の規定です。原則として、労災保険法の適用がない法人の代表者や個人事業主は、所定の要件を満たす場合には、労災保険に特別加入することができます。

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雇用保険法

法人の代表者、法人の取締役

(行政手引20351)
 法は適用事業に雇用される労働者を被保険者としている(法第4条)。このため、雇用される労働者に該当しない場合には、被保険者とならない。労働者性の判断を要する場合の具体例は次のとおり。
イ 取締役及び社員、監査役、協同組合等の社団又は財団の役員
(イ) 株式会社の取締役は、原則として、被保険者としない。取締役であって同時に会社の部長、支店長、工場長等従業員としての身分を有する者は、報酬支払等の面からみて労働者的性格の強い者であって、雇用関係があると認められるものに限り被保険者となる。なお、この場合において、これらの者が失業した場合における失業給付の算定の基礎となる賃金には、取締役としての地位に基づいて受ける役員報酬が含まれないことは当然であるので、これらの者について離職証明書が提出されたときには、この点に留意する。
(ロ) 代表取締役は被保険者とならない。

 雇用保険法においても、法人の代表者、法人の取締役には原則として、適用がありません。また、労働者的性格の強い取締役についても雇用関係があると認められるものに限り被保険者となります。

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個人事業主

第4条 
○1 この法律において「被保険者」とは、適用事業に雇用される労働者であつて、第6条各号に掲げる者以外のものをいう。

 雇用保険法において「被保険者」は、適用事業に雇用される労働者でなければなりません。したがって、個人事業主には適用されません

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健康保険法

法人の代表者、法人の取締役

(昭和24年7月28日保発74号)
 法人の理事、監事、取締役、代表社員及び無限責任社員等法人の代表者又は業務執行者であつて、他面その法人の業務の一部を担任している者は、その限度において使用関係にある者として、健康保険及び厚生年金保険の被保険者として取扱つて来たのであるが、今後これら法人の代表者又は業務執行者であつても、法人から、労務の対償として報酬を受けている者は、法人に使用される者として被保険者の資格を取得させるよう致されたい。
 なお、法人に非ざる社団又は組合の総裁、会長及び組合及び組合長等その団体の理事者の地位にある者、又は地方公共団体の業務執行者についても同様な取扱と致されたい。

 健康保険法においては、法人に使用される者として、法人の代表者法人の取締役も被保険者の資格を取得します

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第53条の2
 被保険者又はその被扶養者が法人の役員(業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者をいい、相談役、顧問その他いかなる名称を有する者であるかを問わず、法人に対し業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者と同等以上の支配力を有するものと認められる者を含む。以下この条において同じ。)であるときは、当該被保険者又はその被扶養者のその法人の役員としての業務(被保険者の数が5人未満である適用事業所に使用される法人の役員としての業務であって厚生労働省令で定めるものを除く。)に起因する疾病、負傷又は死亡に関して保険給付は、行わない

 「法人の役員である被保険者又はその被扶養者に係る特例」の規定です。被保険者が5人未満である適用事業所に所属する法人の代表者等であって、一般の従業員と著しく異ならないような労務に従事している者については、その事業の実態を踏まえ、法人の役員としての業務に起因する疾病、負傷又は死亡であっても、傷病手当金を含めて健康保険の保険給付の対象となります。

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個人事業主

第3条
○1 この法律において「被保険者」とは、適用事業所に使用される者及び任意継続被保険者をいう。ただし、次の各号のいずれかに該当する者は、日雇特例被保険者となる場合を除き、被保険者となることができない。

 健康保険法において「被保険者」は、適用事業に使用される者でなければなりません。したがって、個人事業主には適用されません

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厚生年金保険法

法人の代表者、法人の取締役

(昭和24年7月28日保発74号)
 法人の理事、監事、取締役、代表社員及び無限責任社員等法人の代表者又は業務執行者であつて、他面その法人の業務の一部を担任している者は、その限度において使用関係にある者として、健康保険及び厚生年金保険の被保険者として取扱つて来たのであるが、今後これら法人の代表者又は業務執行者であつても、法人から、労務の対償として報酬を受けている者は、法人に使用される者として被保険者の資格を取得させるよう致されたい。
 なお、法人に非ざる社団又は組合の総裁、会長及び組合及び組合長等その団体の理事者の地位にある者、又は地方公共団体の業務執行者についても同様な取扱と致されたい。
 

 厚生年金保険法においても、法人に使用される者として、法人の代表者法人の取締役も被保険者の資格を取得します

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個人事業主 

第9 
 適用事業所に使用される70歳未満の者は、厚生年金保険の被保険者とする。

 厚生年金保険法において「被保険者」は、適用事業に使用される者でなければなりません。したがって、個人事業主には適用されません

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