ある日のことでした。
ある日のことでした。
わたしは、大きなターミナル駅にある喫茶店に入りました。コーヒーを注文し、PCを取り出し、イヤホンを着用し、仕事を開始しました。
そのとき、ふと視線を左に向けると、少し離れた席に座っていた若い女性が、鞄からごそごそと書籍を取り出しました。何とはなしに見ていると、それは、某予備校の社労士テキストです。思わず顔を確認し、ガンバ-と応援してしまいました(もちろん、心の中で)。
その女性は筆記具とレジュメ?らしきものも続けて取り出し、そのレジュメらしきものをはさみで切貼りし始めました。そのときは、それ以上のことを考えることはなく、すぐに自分の仕事に気持ちが移り、YouTubeの波の音を聴きながら、自分の仕事に取り組みました。
2時間くらい経ったでしょうか。軽く体を伸ばして、ふと先ほどの女性に目を向けました。わたしは自分の目を疑いました。なぜかというと、彼女は、2時間前と同じように、切貼りを続けていたからです。一心不乱に切貼りをしていたのでしょう。テーブルの上には紙くずが山になっています。
うーん。少しだけ思いました。「勉強慣れしていないのかな?」。
わたしたちは、小学校、中学校、高校を通して、定期試験や入学試験を経験します。その過程でいろいろな学習方法を見つけていきます。サブノートを作ったり、単語帳を作ったり、カードを作ったり、赤シートを活用したり、自分で問題を作成したり……。そして、試行錯誤を繰り返し、時間対効果の最も高い方法をみつけ、それを実行に移していきます。
ですから、社会人になってからは、サブノートを作成する人はほとんどいなくなります。大多数の人は学生時代に一度はきれいなサブノートを作ることに熱中するものの、それはあまり効果がなく、ただ単に、時間を多く費やすだけの結果になることを経験しているからです。もちろん、社会人になってからの情報量は学生時代のそれとは比較にならず多いため、すべての内容についてサブノートを作ることが事実上不可能であるということもあるでしょう。いずれにしても、サブノートを作る人はほとんどいないため、そのことを講師が指摘することはあまりありません。
レジュメというくせ者
その代わり、大人になった受講生が陥りやすい罠が、レジュメです。これはくせ者です。レジュメはテキスト等のわかりにくいところを図表化したものです。これをもらうと受講生は大変得をしたように感じるそうです。ですので、講師によっては大量のレジュメを作成し、人気を得ようとする人も出てきます。レジュメ作成派は真面目な講師が多いような気がします。一度作成すると受講生側もそれがスタンダードと考えるため、途中で作成をやめるわけにも行きません。講師であっても、科目によっては得手不得手は当然ありますので、レジュメを作りにくい科目もあります。そこでそういった科目は、別に改めてレジュメにする必要もないところもレジュメにし、枚数の嵩上げをしてしまいます。社会人であれば、報告書を提出するに当たってどうでもいいことをレポートし、「見栄え」を気にした経験はあるかと思います。
すなわち、レジュメというのは、すべてが同じ重要性を持つものではなく、モノによっては、無価値であり、一読したら捨ててしまっても構わない水準のモノも多い存在ということになります。
ですが、受講生にはその判別がつかないのが通常です。講師から受け取ったレジュメはすべて大切だと考えて、すべての情報を吸収しようと努力します。
また、ビジネス書では、「情報の一元化」なる用語が最もらしく文面を踊ります。そのため受講生は、こう考えます。「レジュメはすべて大切」→「原本は大切に取っておこう」→「コピーを取ろう」→「情報は一元化しないといけないから、ポイントごとに切貼りをし、テキストの該当箇所に貼り込もう」と。
時間は有限
年齢を重ねて実感することは、すべてのことに期限が存在することです。冷蔵庫に入っている食品をはじめ、書籍、情報にすらそれは存在します。もちろん、人間にも存在します。
歳の離れた姉は漫画が大好きで、「タッチ」が当時本棚に並んでいました(というか、あだち充が好きだったらしく「みゆき」とか「陽あたり良好!」とかいろいろあった)。
この漫画では、主要人物がストーリーの途中で死亡し、それをきっかけに主人公が成長を遂げていきます。死を契機に「時間は有限」であることに小さなわたしは少なからずショックを受けました(子どもだからすぐに忘れるんだけれども……)。
同じように、主要人物がストーリーの途中で死亡する漫画に、「エースをねらえ!」があります。
この漫画はもっと強烈なインパクトをわたしに与えました。ずっと二人三脚でやってきたテニスのコーチが物語途中で死亡するのです。このコーチはテニス選手として最も脂がのりきった頃に病気が原因で練習中に倒れ、故障をしてしまいます(たしか……)。選手生命を絶たれ、自らの寿命に限りがあることを知ったコーチは、残された時間を後進の育成に力を注ぎます。全国の学校を回り、ついに出会った主人公をひたすらに育て上げ、そして主人公が一番多感な時期に亡くなっていきます。
コピーを取る時間、それを切貼りする時間、最近では、インスタなどSNSで写真を撮りアップする時間……本人はたいしたことないと思っている時間が、実はとても重要なのです。ブログを作ってみて思ったことは、ブログを作ることや、写真をアップする時間などは意外と時間がかかるということです。今みなさんが読んでいるこの雑文でさえ、けっこうな時間をかけています。おそらくYouTuberの方々の動画も思っているよりもずっと多くの時間を費やして作っていることでしょう。
池田 暁子さんという漫画家が「ゴミ捨てなんて5分で終わると思っていたのに、計ってみたらずっと多くの時間がかかっていた」というような内容のことを描かれていました。
↓検索かけてみたら、購入してた笑。上のセリフは他のシリーズかもしれませんが。
シリーズで出されています。どれもおすすめです。
時間は有限であるということをもっともっと意識して生きていかなければならない。そう思います。サイトトップに「本試験まであと○○日」を掲載している理由もそこにあります。
社労士合格勉強のコツ
時間管理をきちんと行いましょう。
「時間は有限」です。作業に費やす時間を極力減らすように自分の勉強スタイルを見直しましょう。