姉のうちに行くと、姪っ子が近寄ってきます。
「九九」できるんだよ!
勢いよく言い始めます。
「ににんが四、にさんが六、にしが八、にご十……」
ああ、誰もが通る道だよね。そう思いながら聞いていました。
「しちし二十四……あっ、間違えてた! も一回、ににんが四、にさんが六……」
しばらく辛抱強く聞いていたんですけど、「どうやら」というべきか、「やはり」というべきか、「七の段」が鬼門のようです(七の段はわたしも苦手だった)。
何回やっても「七の段」でつまずくので、業を煮やして「七の段だけ、スペシャルで言ってごらん!」というと、「いや! 二の段から!」といってまた二の段から始めます。
時代は繰り返すんだな。心の中でそうつぶやきました。
九九は子供にとっては一つの作品だから、途中からできてもあまり意味がないんですよね。九九は絶対に「ににんが四」から始まって、「くく八十一」で終わらなければならないもの。そういった性格のものみたいです。わたしも同じようなことをしていたことを思い出しました。
大人の視点から見たら、「五の段」くらいまでは完璧なのだから、「六の段」から練習すればいいのにと思うのだけれども、本人にとっては譲れないなにかがあるみたいです。
大人でも、この癖はなかなか抜けない、わたしはそう思います。テキストや問題集、第1章は完璧なのに、第2章、第3章とページが進むごとに勉強する密度が薄くなり、投げやりになり、適当になる。
大概の場合、重要なのは「第4章」くらいからと相場は決まっています。なのに、勉強をスタートするときはなぜか「第1章」から。最初の方は、何回も繰り返しているのだから、マスターしていると思っていても、「わたしは馬鹿だから、前はできたかもしれないけれども、今は忘れているかもしれない」とかなんとか理由をつけて第1章から始めてしまう。
ようするに新しい知識を身につけるのは面倒くさいから、すでに身についている知識の再確認に時間を費やしてしまうんですよね。
わたしは、かなり早い段階でこの自分の癖を見抜いていました。ですが、なかなかこの「完璧主義」的な思考を壊すことができませんでした。
そこで一つのツールを導入することにしました。
なんだと思います? 答えは、「日付印」です。学習をしたときは、日付印を押す習慣をつけたんです。最初はペンで書いていたんですが、わたしは自分の字があまり好きではないので、均一に印字される日付印を購入したんです。そうすると、日付印の印字個数が客観的な勉強回数となるわけです。当初はけちって100均で買った日付印を使用していましたが、外で学習するときにスタンプ台を持ち歩くことが面倒になり、シャチハタ(固有名詞でしょうが、他に表現できなかった)を買い直しました。
結果的にこの日付印は今もずっと使い続けているので、減価償却は十分済んだな、と思っています(なんか簿記っぽい)。あっ、欠点が一つあります。補充インクが首都圏の大きな文房具屋さんでもなかなか手に入らないことです。なので、もし同じモノを購入しようかな、とお考えの方は、補充インクも同時購入しておいた方がいいかも。そんなに高いものでもないので。
社労士合格勉強のコツ
テキスト、問題集を必ず「第1章」から始める癖をなくしましょう。
日付印を利用して学習回数を客観的に測定できるようにしましょう。