ハムと社労士と私

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カリスマ講師は平然とこう言います。

「これは試験会場で考えて解く問題です。思考力を身につけましょう」

 

思考力

 

そんなものが一朝一夕に身につけば苦労しないよ。そう毒づきたくなります。

だいたい本試験では時間制限があり、どの問題にどのくらい時間を割けるかわからない。自宅で勉強しているときなら、何分でも時間を割けるけれども、本試験ではそうはいかない。

浅い思考の中でとにかく解答を作りだし、時間内に一定水準の得点を確保し、もし時間が残った場合に初めて、あいまいな問題に少しだけ時間を割ける程度、それがわたしの精一杯。

 

じゃあ、どうすればいいんだろうか

 

なるべく「網羅性の高い」テキストを利用して、「思考力」なんぞの力を利用しなくても合格点をもぎ取れる「知識」を手に入れればいい。

それが当時わたしの出した結論でした。

 

この導き出された答えは、わたしにとって必然だったように思えます。それは、幼い頃の試験に対する刷り込みがあったからです。

 

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わたしが初めて国家試験を受験したのは、小学5年生くらいだったと思います。当時わたしには仲のいい幼なじみの男のコがいました。そのコの家は大変裕福で、お父さんの部屋にはビデオデッキ(VHSとベータ)が豪華なケースに入り鎮座しており、さらにマイコン(と当時言っていたような気がします、PCのことです)とかエレクトーンとかビデオカメラとか、とにかく自分の父の持つ文化とは異次元の世界を醸し出していました。

その中でもひたすら異彩を放っていたのが「無線機」でした。「やってみたい!」というと、これを使用するには資格が必要だからだめだよ、と言われました。

 

ここで初めて人生において、資格というモノを意識したような気がします。

家に帰り、そのことを親に言うと、やはり資格が必要でそれを取得するのは「小学生にはムリだよ」と言われました。

ムリならしょうがない、そう思い、しばらくは忘れていたのですが、ある日、行きつけの本屋さんに、「無線コーナー」があることに気がつきました(町には小さな書店が一件あり、わたしは毎日その書店で立ち読みをしていた笑)。

そこにはとても小さな本がありました。

 

完全丸暗記アマチュア無線

 

文庫本サイズのとても小さな本に高らかに輝く「完全丸暗記」の文字。これは小学生の心を引きつけました。

ケータイ全盛のご時世、まだ販売しているのだろうかと思ってアマゾンで検索かけてみたところ、まだ販売していました。これです。↓

 

 

この本は、すごいんです。

「キミは小学生だね、『オームの法則』って知ってる? 知らないよね。ていうか、アルファベット言える? エルとエムとエヌが自信ない? そんなキミに公式だのなんだの言ってもムリだよね。でも、大丈夫! この本丸暗記すれば大丈夫。回路図は毎回少し違うだけだから、これと同じ図が出てきたら、この数字とこの数字をかけ算しなさい、この図だったら、この数字とこの数字を足し算してから割り算! パターン丸暗記すれば大丈夫!」

 

理解なんて二の次、三の次。とにかく覚えな。覚えたら解けるから。

 

今も同じ編集方針かどうかはわかりませんが、その本をなけなしのお小遣いで購入し、小学生特有の異常な集中力で何回も繰り返し読み、わたしは受験に臨みました。

結果は合格。このことは、今考えるとわたしの人生に大きな影響を及ぼしたように思えます。

 

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よくよく考えてみると、当時やっていた習い事はみんなそうだったような気がしてきました。そろばんとか公文とか。そろばんは歳の離れた姉がやっていたので、「やりたい!」といって通い始めました。最初は楽しかったのですが、級が上がるにつれて「応用算」なるものが出てきました。

原価○○円の材料を仕入れてきました。利益を2割のせて販売していましたが、売れなかったので、3割引きで売りました。最終的な利益はいくらですか。

そんなような問題です。地方の小学生だったわたしには全く意味がわかりません。これもそろばん教室の先生は、「『……は』というコトバの前の数字を、『……の』というコトバの前の数字で割るんだよ。」みたいな指導をしていたような気がします。

 

理解なんて二の次、三の次。とにかく覚えな。覚えたら解けるから。

 

こういったやり方は全く間違っていたのかというとそうでもないような気もします。時間制限のある試験の前で、「思考力」なんて役に立たない。むしろそう思った方が気が楽です。正確な知識を一つでも増やして、結果的に時間が余れば、「思考」すればいい(試験で時間が余ったことなんて一度もないけど)。

 

 

……そんなわたしにとって、社労士試験は気持ちの悪い試験です。予備校の内部試験においても、テキストに載っていないことを出題してくる。本試験では言わずもがな。テキストに載ってなかったらいつ勉強できるのか。そんなのは、たとえ正解できても、「」じゃないか。

 

わたしは穴は深く掘れ。直径は自ずから広がる。」というコトバが大好きです。浅い穴を掘っているうちは、小さな穴しか掘れない。深い穴を掘り続けていれば、自然と大きな穴になる。大変シンプルな思考です。

 

「7年過去問?」馬鹿言うな、「10年過去問?」とんでもない。50年分全部目を通してみな。それでも知らない問題が出てきたら、そんな問題は誰も知らない。解けなくても何も問題ない。

そう言えるはずです。

 

 

だけど、そんな教材はどこにもないですよね。だからサイキョウ社労士作っています。時間かかるんだけれど。

……無線のことをハムって言うそうです。

 



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