大成観光事件

大成観光事件

昭和57年4月13日最高裁判所第三小法廷
ストーリー
 Y社の労働組合Xは、Y社の経営するホテル内において、2回にわたり賃上げ闘争の一環として、いわゆるリボン闘争を行った。これには「要求貫徹」あるいは「ホテル労連」の文字が印刷されていた。
 これに対し、Y社は、リボンを外すように説得したが、組合Xはこれを無視して実施したため、組合三役Aらの幹部責任を問い、減給及び譴責処分とした。
 労働組合Xは、この処分を不服としてA労働委員会に救済を申し立てたところ、委員会はこの救済を認容した。Y社はこれを不服としてその取消しを求める行政訴訟を提起した。

 

リボンをつけることは、ホテルの品格・信望を

失わせる、正常な運営を阻害する行為です。

 

なんらの業務阻害を伴わないささやかな

組合運動に対し、処分が行われることは

納得できません。

 

 結 論  X組合敗訴
 リボン闘争は、労働者の連帯感を喚起し、指揮を高揚させるものであるため、就業時間中に行われた組合活動として組合の正当な争議行為とはいえない。

要求貫徹と記載されたリボンを着用するリボン闘争は、組合活動に該当するか。

 ……右の本件リボン闘争は、主として、結成後三か月の参加人組合の内部における組合員間の連帯感ないし仲間意識の昂揚、団結強化への士気の鼓舞という効果を重視し、同組合自身の体造りをすることを目的として実施されたものであるというのである。
 そうすると、原審の適法に確定した事実関係のもとにおいて、本件リボン闘争は就業時間中に行われた組合活動であつて参加人組合の正当な行為にあたらないとした原審の判断は、結論において正当として是認することができる。原判決に所論の違法はなく、右違法のあることを前提とする所論違憲の主張は、失当である。論旨は、採用することができない。
答えを見る
 ……右の本件リボン闘争は、主として、結成後三か月の参加人組合の内部における組合員間の連帯感ないし仲間意識の昂揚、団結強化への士気の鼓舞という効果を重視し、同組合自身の体造りをすることを目的として実施されたものであるというのである。 そうすると、原審の適法に確定した事実関係のもとにおいて、本件リボン闘争は就業時間中に行われた組合活動であつて参加人組合の正当な行為にあたらないとした原審の判断は、結論において正当として是認することができる。原判決に所論の違法はなく、右違法のあることを前提とする所論違憲の主張は、失当である。論旨は、採用することができない。

 

トップへ戻る