労災保険法(第5章-①給付通則・社会保険との併給調整)rsh1305A

★ rsh1305A労災保険法第12条の2の第1項の「故意」とは、自己の行為により一定の結果が生ずることを認識し、かつ、その結果の発生を認容していることをいう。したがって、例えば、重油を船から送油パイプを通じてタンクローリー車に送り込む陸揚げ作業中、同僚労働者がタンクの重油内に転落したのを見て、直ちに救出するためタンク内に降りようとしたところ、足を滑らしてタンクの重油内に転落し、死亡したという場合には、たしかに業務と密接な関連があるとはいえ、そうした危険の発生について認識があり、かつ、それを認容したうえでの救出行為によるものとみることができるので、その死亡は、「故意」によるものといわざるを得ない。
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×不正解
 一般に「故意」とは、自分の行為が一定の結果を生ずべきことを認識し、かつ、この結果を生ずることを認容することをいう。ただし、被災労働者が結果の発生を認容していても業務との因果関係が認められる事故については、故意とはならない
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(引用:労災コンメンタール12条の2の2)
 一般に、故意とは、自分の行為が一定の結果を生すべきことを認識し、かつ、この結果を生ずることを認容することをいう。ただし、被災労働者が結果の発生を認容していても業務との因果関係が認められる事故については、本項の適用はない(昭問40.7.31基発第901号) 。
(昭和40年7月31日基発901号)
 法第12条の2の2第1項の規定は、業務上とならない事故について確認的に定めたものであって、労働基準法第78条の規定で、結果の発生を意図した故意によって事故を発生させたときは当然業務外とし、重大な過失による事故のみについて定めていることと対応するものである。したがって、被災労働者が結果の発生を認容していても業務との因果関係が認められる事故については、同項の適用がないのはいうまでもない。また、同条第2項の「故意の犯罪行為」とは、事故の発生を意図した故意はないがその原因となる犯罪行為が故意によるものであることをいう。この場合には必ずしも業務外になるとは限らないから、同条第1項の「故意」による事故発生と混同すべきではない。
(昭和34年12月26日基収9335号)
(問)
 O鉱油㈱の従業員であるD、Bは、O港岸壁において、会社が請負ったT丸積荷の重油を船から地上100メートルに常設してある送油パイプを通してタンクローリー車に送り込む陸揚げ作業をしていたところ、共同して陸揚げ作業中のT丸船主(機関長兼務)が重油タンク内のタラップを降りて重油のサンプルを汲み取ろうとしてそのまま重油内に転落した。これを知ったDは、船主を救助するためタンク内のタラップを降りていったが途中から突然転落し、さらにこれを見ていた同僚Bも、Dを救出すべく直ちにタンク内に入ったが、これも急に横倒しになって重油内に転落、いずれも死亡した。
 作業方法は、O鉱油㈱の従業員が岸壁から100メートル手前の陸上で、タンクローリー車と送油パイプの端とをホースで連結し、船の者は、船と岸壁にある送油パイプの端をホースで連結し、これが終れば船とタンクローリー車との合図をしつつ、船の者が船内エンジンを運転して油をタンクローリー車へ送り込む予定であった。O鉱油㈱の従業員は、通常は、岸壁又は船内で作業する用件はないが、積荷の都合では岸壁又は船内で作業することもあるという事情があった。
(答)
 業務上の死亡である

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